ニュースリリース
闯贵贰スチール株式会社
「デジタルツイン」を活用した革新的ラジアントチューブバーナーの短期开発
~长寿命?低狈翱虫?高効率化を実现~
当社はこのたび、仮想空间上に构筑したデジタルツイン技术の活用により、革新的ラジアントチューブバーナーの短期开発に成功しました。本ラジアントチューブバーナーを东日本製鉄所(千叶地区)冷延工场で长期运用した结果、従来のラジアントチューブと比较して6倍程度の长寿命効果が见込まれるとともに、低狈翱虫化、省エネ化を実现しています。
ラジアントチューブバーナーとは、连続溶融亜铅めっきラインや连続焼钝ラインにおいて、钢板の引张り强度や伸びなどの机械特性を调整するために钢板を加热する际に用いる设备です。本バーナーは通常のバーナーとは异なり、燃料と空気が金属製のチューブ内で燃焼反応し、燃焼热によって加热されたチューブの辐射热により钢板を加热する仕组みであり、钢板表面を高品质に保持可能なため、当社の焼钝炉でも数多く採用されています。一方で、ラジアントチューブバーナーはチューブ内という比较的狭い空间で燃焼反応が生じ高温になりやすいため、高温下に曝されることによるチューブ変形の抑制および低狈翱虫と高热効率の両立が求められていました。
そこで今回の开発では、试験炉の燃焼実験から得られた试験データと物理モデルを元に、仮想空间上に试験炉を忠実に再现したデジタルツインを构筑(図1)し、ラジアントチューブの炉内支持构造、チューブ形状、バーナー周り、伝热促进体、热交换器を独自に开発しました。その结果、従来のラジアントチューブバーナーに対して、长寿命(変形速度1/6(図2))、低狈翱虫(狈翱虫発生量30%低减)、高効率(3%の省エネ化)の革新的ラジアントチューブバーナーの开発(図3)に至り、また、従来の约半分の期间での操业运用を実现しました。
また、本开発成果は、公益社団法人日本伝热学会(会长:须贺 一彦氏)に认められ、2023年度日本伝热学会?技术赏を受赏し、表彰式が5月30日に神戸国际会议场(兵库?神戸)で行われました。日本伝热学会?技术赏は、优秀な伝热技术を开発した者に授与されるもので、当社の日本伝热学会?技术赏の受赏は初となります。
現実世界の物理システムやプロセスを仮想空間上(デジタル)に現実世界と等価なモデル(双子=ツイン)として再現し、現実世界を忠実にシミュレートするデジタルツインは、Cyber Physical System(以下、CPS)のコア技術となります。デジタルツインで得られた情報を制御システムに適用することで、一部の熟練のオペレーターの操業と同等またはそれ以上の高効率な操業が常時可能となります。さらに、デジタルツイン技術を設備設計プロセスに組み込み、現実世界では把握しえない設備内部の状態を仮想空間上で可視化することで、多くの試作?試験が可能となり、開発期間の大幅な短縮化に寄与するといった、生産プロセスの効率的な開発と運用に革新的な効果をもたらします。
昨今のデジタル技術の目覚ましい発展と2050年のカーボンニュートラルへの挑戦の中、鉄鋼業は変革の時期を迎えています。当社は、この変革期を成長のチャンスと捉え、デジタルツイン技術を用いた革新的なプロセス開発に努めるとともに、既存ビジネスの変革、新規ビジネス創出等、あらゆる事業領域において積極的なデータ活用による競争力の優位性を獲得することを目指しています。特に、デジタルツイン技術は、カーボンニュートラルの実現に向けた化石燃料を用いない燃焼?加熱技術の開発?鉄鋼製造プロセスへの適用にも親和性が高く、GXにおいても大きな役割を担うことが期待されています。今後もさらなる新技術の開発と実用化を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。さらに、自社技術や操業改善ノウハウをソリューションビジネス「JFE Resolus™(レゾラス)」の商品として积极的にお客様に提供し、お客様とともに発展を目指してまいります。
【表彰式写真】
(左より)日本伝熱学会 会長 平井 秀一郎氏(2023年度会長)
スチール研究所 サイバーフィジカルシステム研究開発部 主任研究員 川島 知之
棒线事業部仙台製造所設備部設備室 主任部員 小林 祥大
東日本製鉄所(千葉地区)エネルギー部エネルギー技術室 主任部員 浅川 一樹
【図1】ラジアントチューブバーナー试験炉のデジタルツイン
【図2】开発効果(従来ラジアントチューブバーナーの最大変形量を1とした时の100分率)
【図3】开発した技术
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