ニュースリリース
闯贵贰スチール株式会社
高速溶接缶用ティンフリースチール『叠搁滨罢贰-础颁贰®』を开発
~ティンフリースチールによる溶接饮料缶の量产化に世界で初めて成功~
このたび、当社が新たに开発した、溶接性を高めた高速溶接缶用ティンフリースチール、『叠搁滨罢贰-础颁贰』が、大和製罐株式会社に溶接饮料缶胴用途として採用されました。高速溶接を行う饮料缶にティンフリースチールが採用されるのは、世界で初めてです。
ぶりきが冷延鋼板に錫をめっきするのに対し、ティンフリースチールは、表面に極薄のクロムめっきの膜を形成したものです。高い塗料密着性と美麗な外観を合わせ持つと同時に、ぶりきと異なり溶接工程で錫めっき層の剥離がなくお客様の製造ラインの清浄性を保ちやすいという特長を有します。一方、ティンフリースチールはクロムめっきの表層に抵抗値の高いクロム水和酸化物が形成されており、溶接時に過剰な抵抗発熱による溶損(スパッター)が発生しやすく溶接缶に不向きという課題がありました。当社は既に溶接性を向上させたティンフリースチール『JFE BRITE?』を开発しており、主に18リットル缶やペール缶などの溶接缶に使用されてきましたが、一分間に数百缶という高速溶接を行う飲料缶への適用が課題となっていました。
今回開発した『叠搁滨罢贰-础颁贰』は、JFEスチール独自の電解技術により、表層に無数の微細粒状金属クロムを析出させ、接触点でのクロム水和酸化物の絶縁破壊を促進(図1)することで、『JFE BRITE』と比べて接触抵抗の大幅な低減(図2)に成功し、溶接性をさらに向上させました。『叠搁滨罢贰-础颁贰』は、高速溶接に適した優れた溶接性と、上述した従来のティンフリースチールが持つ優位性を合わせ持ち、溶接缶胴用途として最適な特長を有します。
当社は、『叠搁滨罢贰-础颁贰』を飲料缶のみならず『JFE BRITE』をご使用のお客様を含め、幅広く市場に供給していく予定です。
当社はこれからも、お客様の製缶技术ニーズに独自の技术で応えていくとともに、持続可能な社会の実现に向け高品质で环境に配虑した製品の开発に取り组んでまいります。
『叠搁滨罢贰-础颁贰®』、『JFE BRITE®』は闯贵贰スチール(株)の登録商标です。
『叠搁滨罢贰-础颁贰®』 :JFE BRITE by Advanced Chromium coating with Excellent weldabilityの略。
【図1】『叠搁滨罢贰-础颁贰』における粒状クロムによるクロム水和酸化物破壊イメージ
【図2】『叠搁滨罢贰-础颁贰』と他材料の接触抵抗の比較
【写真】『叠搁滨罢贰-础颁贰』を用いた溶接飲料缶